Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
しかし、みのりはぎこちなく視線を逸らして、再び窓の外へと目を遣った。あの胸に腕に抱きしめられたいと願ってやまなかったが、遼太郎は今帰って来たばかりで疲れている。
すると遼太郎は、みのりの背後から腕を伸ばしてカーテンを閉めた。眺めていた夜の景色が遮られたとき、
「………?!」
みのりはそのまま、遼太郎に抱きすくめられていた。
「……先生の、体のことしか考えてないわけじゃないんです。」
みのりが驚きを発する前に、遼太郎がその耳元で囁く。
「だけど、何をしてても、先生を抱いたときの感覚が浮かんでくるんです。他のことは何も考えられなくなるくらい、ずっと先生のことばかり……。」
遼太郎の心を聞いて、みのりの胸が痛いくらいにキュッと絞られた。
「うん……、私も。あれからずっと、遼ちゃんのことばかり考えてた。」
以前は、仕事をしている時だけは忘れていられたのに、もうどうやっても意識から追い出せないほど、みのりの心は遼太郎のことで埋め尽くされていた。
体を翻しながら、みのりが遼太郎を見上げると、遼太郎もみのりを覗き込むように、そのまま唇が重なった。
狂おしくキスを繰り返しながら、抑えられない想いのままに、みのりは遼太郎の首に両腕を巻き付けてギュッと力を込めて引き寄せた。