Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
――先生がこんなことになったのは、誰のせいでもない。俺のせいなのに……。
感謝なんてされると、いっそう胸が苦しくなる。
けれども遼太郎は、そんな複雑な心の中は隠して、表情をニッコリと和ませてみのりに応えた。
「……それで、退院は明日になったけど、すぐには帰れませんよね?」
「どうして?仕事もあるし、帰らなきゃいけないんだけど。」
みのりは、首を傾げて遼太郎に問い返した。
「なに言ってるんですか。ダメです!退院したその日に、長旅はさせられません。」
遼太郎は有無を言わさない様子で、みのりをじっと見据える。
「……でも、それじゃ……。」
みのりはその様子に気圧されて、戸惑うような声を出す。
「退院してしばらくは、仕事を休んで、俺のアパートにいてください。…狭いから少し窮屈かもしれないけど。」
「え……!」
その遼太郎の提案を聞いて、みのりは目を見開いた。
「遼ちゃんに、そんな迷惑かけられない。私が居座ったら、それこそ遼ちゃんが窮屈するじゃない。」