Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜




「遼ちゃん、……元気?」


 確かめるようにみのりから尋ねられて、遼太郎は丸くした目をみのりに合わせた。


「元気、元気!元気すぎるくらいです!!」


 明るくそう言いながら、輝くような笑顔を見せてくれる。


「そう。だったら、よかった……。」


 その笑顔を見て、みのりはようやく安心して深く息を抜くことができたが、遼太郎はみのりのその目元が少し赤らんでいることを見逃さなかった。

 みのりはここで独りで泣いていた……。その事実を敏感に察したけれど、今はそれを無理に問い質す時ではないと思い、敢えてそれを指摘しなかった。

 逆に、みのりの気を紛らわせるように、もっと楽しげに笑ってみせる。


「俺、自慢じゃないけど、元気なのが取り柄なんです。高校の時も、皆勤賞だったんです!」

「うん、そうだったね。表彰されてたの、知ってる。」


 みのりがほのかな笑みを浮かべたのを見て、遼太郎も少し安心する。


「先生も食べて、早く元気になってください。今晩、何が食べたいですか?俺、今から買い物行ってきますから。」


 本当に元気な遼太郎はとても軽快で、帰ってきたばかりなのに休む暇もない。


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