Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
「……遼ちゃん?もう起きないと」
名残惜しいのは言うまでもなかったが、みのりはそう言いながら、遼太郎の腕の中から抜け出した。
「うわ!?髪が大変なことになってる!そう言えば昨日、乾かさずに寝ちゃったから……」
みのりは変にクセがついた長い髪を持ち上げて、困り顔をした。
「もう一度、シャワー浴びたらいいですよ」
ベッドの上に肘枕をして、遼太郎はみのりを見上げながら微笑む。みのりもその微笑みに応えるように頷いて、浴室へ向かった。
すると、すかさず遼太郎も浴室へ行き、昨日と同じようにみのりの髪を洗ってあげる。ん
心地よいシャワーの下、水が滴るみのりの思いがけない色っぽさ……。
それを意識してしまった遼太郎は、また我慢ができなくなり、思わずみのりを抱き寄せて口づけた。素肌が触れ合い、お互いの吐息が混ざり、みのりもこのまま、甘い快楽の中にまた身を投じたくなる……。
けれども、みのりは長いキスの後、自分の中の理性を振り絞った。
「……今日は、病院に行って、帰らないと……」
みのりが見つめる先の、遼太郎の澄んだ眼差しが切なくなった。
「帰したくない……!」
遼太郎の素直な心が、唇からこぼれ出てくる。そう呟くと同時に、浴室の壁にみのりを押し付け、もう一度深いキスをする。