Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜



 後輩と共に、タックルバッグを背負って部室へ向かっている遼太郎を、遠くから見遣る。
 恋い慕うだけではない、遼太郎のためを思うが故の痛みを伴う切なさが、みのりの心を覆い尽くした。涙がこみ上げてきて、視界の中の遼太郎がぼんやりと揺れる。


 みのりは考えねばならなかった――。
 遼太郎のために、最良のことを…。

 そしてそれが、どんなに辛いことであろうが、実行しなければならなかった。


 何よりも…、自分の命よりも大切で、愛しい遼太郎のために…。






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