Rhapsody in Love 〜幸せの在処〜
底抜けに明るいラグビー部員たちの中で、みのりは釣られて笑顔になる。けれども、心に差した影は、そんなことくらいでは拭い去れるものではなかった。
二俣は、心の底からみのりが笑っていないことに気が付いて、顔は笑いながら気分は浮かなかった。
その時、江口から集合の号令がかかり、部員たちは江口を囲んで輪になった。そして江口からの話が終わった後、グラウンドに向かって整列し、礼をして、今日は解散となった。
「先輩!俺らこれからお好み焼きを食いに行こうって言ってるんすけど、一緒にどうですか?」
礼をした後、荷物のところへ歩く二俣と遼太郎を追いかけてきて、宇津木が声をかけた。
「お前ら…、差し入れをあれだけ食っといて、まだ食うのかよ!それに、こんな砂埃だらけで食いもの屋に行ったら、嫌がられるぜ。」
呆れたような二俣の物言いに、宇津木も極まりが悪いような顔になる。
「…って、俺らも当然食いに行くに決まってんだろ!!なっ?遼ちゃん♪」
と、打って変わって、二俣は同意を求めて遼太郎を振り向いた。しかし、即座にみのりの存在を思い出す。
遼太郎がこの後、みのりと予定があったかもしれないと気を回した二俣は、遼太郎へと耳打ちした。
「…みのりちゃんも誘えよ…!」