16の約束
私はなにをすればいいのか
ひとつもわからず
部屋の端でずっとみんなの
様子を見ていると
それに気づいたのか
なつかちゃんが今度は
人形を持って近寄ってきた。

「ねーねー!
なつかちゃんね、なつかっていうの!」

どうやらなつかちゃんは
自分のことをなつかちゃんと
呼んでいるらしい。

「名前なんていうのー?」

といきなり聞かれた私は
びっくりしたが
おばあちゃんに少し喋れるように
なってから教えてもらった
自分の名前をいうときに使う言葉を
はじめていう事にした。

「わっわたしね、みなっていうの!!」


本当なら
「わたしの名前はみなです!」
って教わっていたはずなのに

パニック状態のようになった
わたしはなつかちゃんと
似ているしゃべり方になってしまった。

するとなつかちゃんは

「みなちゃんかあ〜!
なつかちゃんね、お友達が全部男の子なの!
だからみなちゃんが来てくれたから
なつかちゃん嬉しい!!!」

と言ったあと
わたしは周りを見渡すと
本当になつかちゃん以外の
女の子はいなかった。

女の子だと思っていた子は
髪が長いだけで男の子だった。

「うん!」

わたしは、言葉もそこまで
覚えておらず
うん、としか言えなかった。

でもなつかちゃんは
お人形を持っていない方の手で
私の手をとり
お人形の頭で向こうを指し

「あっちであーそぼ!!」

と言って
私を連れていってくれた。
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