君に出逢わなかったら…。
[ガラガラっ!!]
ドアが開く音がした途端、それまでワイワイやってた男子や、恋バナをしていたギャル系の女の子達が一斉に席に座る。
もう皆さんお分かりだとは思いますが…
先生が入ってきたのだ。
「えぇ~
今日からお前らのお世話をしていく、担任の相澤だ。みんなよろしくなっ!!」
お世話って…
なめてんのかこいつ。
クラスのみんながそう思っていただろう。
そして相澤は黒板に大きく自分の名前を書き、
「今日は俺の名前を覚えてくるのが宿題だっ!!」
とかなんとか言いながら、爽やかなスマイルをうち達にくらわした。
んで、まあ色々と配布物を配られ、中学校生活1日目が終了しようとしていた。
みんながリュックやらカバンやらに荷物を入れてるとき、
「なんかおもしれぇ先生だなっ」
そう言ってうちにあのにかにかした笑顔を向けてくる優希。
さっきのいぢけっぷりはどこにいったんだか…。
「おもしろいってゆうか??あれ…。」
うちはスクバに荷物を入れながら答える。
「おもしれぇぢゃん
俺ああゆうの好き。」
優希もスクバに荷物を入れながら答える。
「ふぅん…。
まああんたの好みなんてどうでもいいけどね」
「ぬわっ
本当お前俺には冷たいよな~
拓也には優しいくせに。」
そう言って優希はまたいぢけた顔をする。
このいぢけた顔がなかなか可愛いかったりする。
「優希がうざいからだよ。」そううちが言うと、優希は「やっと優希って呼んでくれたっ!!」
と言ってにっこり笑った。