君に出逢わなかったら…。

うちのクラスは…４組。
不吉な数字だ。

うちは急いで４組の名簿を確認しに行く。

一番最初に目についた名前は…
高橋ゆか。
小学校からの親友だ。

ゆかと同じクラスということを知って、少し緊張がほぐれた。

そしてうちは、誰よりもあの人の名前を探していた。
小５のときから大好きだった、あの人の名前を…。

その人の名前は杉山拓哉。
うちは必死に｢杉｣という字を探す。

目を上から下へとずらしながら一生懸命探す。

その時、
目に映った｢杉｣の字。

うちの顔はみるみる笑顔になって、熱くなっていくのがわかる。

しかし｢杉｣の次に書かれていた字は…
｢野｣…。

こいつの正体は…
杉野優希だった。

優希は小１のころからずっとクラスが一緒だった。
１日１回はちょっかい出してくるウザイやつ。

結局、拓哉の名前は見つからず、どんよりとした気持ちで体育館に向かった。