君に出逢わなかったら…。

ふたまた。


「由紀っ!!」
後ろから優希の声が聞こえる。

なんでだろう?
声を聞いただけでこんなにドキドキするのは…。

「ゆーきぃー?」
そういって優希はうちの顔をのぞき込んでくる。

相変わらずドキドキしてる。
今うちの顔真っ赤かも。
ドキドキしてるのがバレたら…大変だよ…。

「なに?」
うちは優希の顔を見ないようにそっぽを向いて答える。
「席隣だなっ!!」
優希があの笑顔で言ってきた。

「そうだね…。あんたの隣とか最悪。」
うちは冷たく答える。
「俺は由紀の隣で嬉しいけどな…」

えっ…
嬉しいって…ほんと?
やだ、なに期待してんだろ…
うちが好きなのは拓哉。
そう、拓哉だよ…。
優希の事なんか…
好きな訳ないよ。

なのに…
なんで?
さっきからすごく体が熱いよ…。
優希の顔を見るたびドキドキしてるよ…。

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