Dear…
「これは酷い…」

シュウが眉をひそめた。

「まだ、息がある…でも…」

絆は途中で言葉を濁し、戸惑いを隠せずに顔を曇らす。

「助からないだろうね…」

しんと冷えた悲しみを含んだ声でシュウは呟いた。
絆が惨状を直視出来ずに目を伏せる。

「絆、泣いてはいけないよ」

シュウにそう諭されて絆が下唇を強く噛み締めた。
陽気な日差しとは裏腹に、当たりの空気はじんわりと冷えている。

「最後にあなたの胸の内を手紙にして届けてみませんか…あなたの大切な人に」

風と舞う花びらに目を細めて、シュウが静かに問いかける。
静かに浅い呼吸を繰り返して、弱く脈打っていた命が散っていく。

「ご注文、承りました。」

そう言ってシュウは虚ろな光を遮るように半分上がった瞼を片手で下げた。
慰めるように、祈るように優しく。
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