擬人カレシ
そこにあるのは闇だと誰かが言った。
そこにあるのは果てしなく続く漆黒の世界だと誰かが言った。
でも何もなかったわけじゃない。
闇に抱かれた遥か奥底。
深淵の中心。
仄かな光が揺れていた。
青、朱、白、玄。
4色の光が柔らかな黄色い光に包まれ瞬いていた。
ふと黄色い光が揺らいだ。
時が来たと告げるように。
そして青い光がそれに応えるようにゆっくりとゆっくりと浮かび上がる。
漆黒の闇の中を、上へ上へと向かって。