In the small globe

「由仁ちゃんって、麗と前からお友達なの?」

「うん、1年の時からね〜」

「茶道部だしねっ!」

「うん!い、糸賀さんは何部だっけ」

「私は書道だよ」

「おぉ〜」

由仁の無理やり話してる感じが、付き合いの長い私には伝わってきて辛かった。

学校の最寄りと家の最寄りが1番近いのは恵理子だった。

恵理子が最初に降りた。

恵理子の最寄りから由仁の最寄りまでの間、由仁が深刻な顔をしていた。

「麗、」

「ん?なに??」

「私、あんまり人の好き嫌いとかするタイプではないとは思ってるんだ。でも、…」

こうゆう所で関係が崩れるのが1番嫌だった。

「でも?でもどーしたの???も、もしかして3人で帰るの嫌だった?ごめん本当にごめんね!メールだけじゃ由仁のこと判断し切れなくて、」

「違うの!」

「え?」

「麗だこらこそ正直に言うね。」

「う、うん。」

「私、メールの時はその相手が糸賀恵理子だと思ってなかったんだ。」

由仁がフルネームで恵理子のことを呼んだ。

< 16 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop