In the small globe
二章〜0の値〜

中二

【In the small globe】
〜0の値〜

中学校2年生の春のこと。

中学2年生というと、やはり大人の部類に近づいた気がして待ち遠しかった。

小学生じゃまだ子供だけれども、中学1年生といってもまだまだ子供の部類だった。

中学2年生はやっと大人の部類。

世が厨二病なんて言葉を作ったからか、少し優越感があった。

私は、世の中学2年生の平均よりかは裕福な生活を送っていた。

中学受験をし、私立の女子校、いわゆる¨お嬢様学校¨に入学し、成績向上の為に塾にも通っていたし、部活動もしつつバレエ教室まで通っていた。

母も父も同じ企業で働いていた。

その社長が母型の祖父で、家計はそうして成り立っていた。

この日は始業式と新入生歓迎会の為、朝から全校に召集がかかった。

「麗、講堂いこー!」

「うん」

新しいクラスに偶然、縁のある友達がおり、私は安心していた。

私、仙石麗(せんごく うらら)

それから私の友達、

糸賀理恵子(いとがりえこ)は

中学受験の時、同じ志望校の人が集まる塾の週に1回の講習で同じクラスだった為、何度か話したことがあった。

でもお互いそこまで気が知れた仲ではなかった。

私は噂話に耳を傾けない人だった為、糸賀理恵子が同期から良い印象ではないことを知らなかった。
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