In the small globe
縦社会
─「生徒は出席番号順に並び、静かに着席をすること」
─「これより20××年度1学期始業式を始めます。黙視。」
普段の黙視より長い気がした。
頭の中はクラスに和んでいけるかということでいっぱいだった。
─「やめ。校長挨拶。起立。」
・・・・・
理事長の話しがいつもに増して長かったのか、またこの講堂の椅子は心地良くて睡魔が私を襲った。
私だけじゃない。
ほとんどの人が睡魔に襲われた。
周りを見渡せば真面目に聞いているのは新入生ばかりだった。
そして私はとうとう眠りについてしまった。
気持ちがよかった。
立たなければいけない時は、椅子の敏感な揺れを察知し、周りに紛れるくらいに立ち上がった。
─「これで始業式を終わります。黙視。」
あーおわった。
長くて気持ちがよかった。
黙視も何も、元々目を閉じていたなら意味はないだろ、と思いつつ始業式が終わると目を覚ました。