元気なんかじゃないよ。
紗雪side


「さーゆーきっ!ほら、帰るよっ」

「あ・・・ごめん、鈴」



―気付けばもう部活が終わる時間だった。

今日は顧問もいなくて練習が緩くて、集中してないせいで終わるのが早かった。


集中できない理由は、ほんの数時間前にあった。



―『ごめん、俺部活に集中したいから。
 ほんとごめん』


私松本紗雪は、16歳高校2年生にして失恋を経験しました。


ほんとは初めて失恋したわけじゃないけど、それはまた別の話。


「紗雪、鈴、さっさと帰ろー」


呼ばれる声がして振り向く。

「あぁ、沙梨ごめん」


いつも一緒に帰る川本鈴(かわもとりん)と木田沙梨(きださり)。



中学校から仲が良かった私たちは、偶然にも同じ高校志望だった。


そして同じバドミントン部。


この2人には、失恋のことを話すことにした。
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