元気なんかじゃないよ。

「・・・・あのさ。2人に話がある」

「ん?どしたの、紗雪」

「なになにー?まさかあいつと進展あったとか・・・・」


「ううん、違う。・・・・前から、あいつに告白しようかなって言ってたじゃん。


 振られちゃった」


沈黙が流れて、自転車を漕ぐ音だけがする。


「・・・紗雪。大丈夫なの?」

沙梨が心配そうに聞いてくる。

「ぜーんぜん大丈夫っ!!」

・・・嘘。


ほんとは全然元気じゃないし大丈夫じゃないよ。


「紗雪、ほんとに大丈夫じゃないでしょ」

鈴の言葉で我慢できなくなって。


「ううっ・・・めちゃめちゃ悲しい」


「泣きたいだけ泣きなよ、あとはまぁどうにでもなる」


ちょっと無責任な鈴の言葉も、今日は優しく響いた。
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