転校生は幼なじみ。
 「よく学校まで来れたな。」
 この方向音痴人間め。
 「それは人の流れというか、家を出て一番最初に会った人についていったというか」
 「小学校でもよく言われてんだろ。知らない人にはついて行っちゃいけないって」
 「ううぅ~~」
 はぁ、段々こいつがどんなやつなのか分かんなくなってきた。
 あの大人しそうな性格はどこへ消えたのやら……
 これじゃあただのガキだ。
 「分かったよ。お前の家探し手伝ってやるよ。ほんとは部活行ってから帰りたかったんだけど」
 「えっホント!?」
 そりゃうれしいわな。帰る家が分かんないんだから……
 ……野良猫?
 「で、家の特徴とかなんかないの。それぐらいは覚えてるか迷子の迷子の子猫ちゃん?」
 「あぁそれなら君の後をついてくよ。おまわりさん」
 ??
 まさかのここでストーカー発言ですか?
 「朝ついてきた人って花宮君のことだから」
 「一番最初に見つけた人って俺のことかよ!?」

 
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