転校生は幼なじみ。
ブツブツ言いながらも手渡された卵かけ納豆ごはん味のクレープを口にしてみる。
想像通りの味がした。
マズイか美味いかで聞かれても、なんでそこに美味いの選択肢を入れたんだと逆ギレするぐらいに不味かった。
まずクレープに甘くないものを混ぜるのがおかしい。
隣では相田さんが美紀ちゃんに話しかけている。
最初は美紀ちゃんの顔は強張っていたのだが、段々と表情がほぐれてきているのが分かる。
やっぱり女子同士の方が打ち解けやすいよな、よかったよかった。
……と思いながら自分の手の中にあるクレープを食べる。
そのためならこの微味なクレープも我慢できる……と思えたい。
はっきり言おう、二度とこんなクレープ食べるものか!!
また俺のお腹で雷注意報が発令される前に家に帰るか。
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