転校生は幼なじみ。
「あぁー、楽しかった。やっぱり大勢でカラオケっていうのはいいね」
あまり歌うことはないと言っていた美紀ちゃんだが、音楽は好きなようで家に帰ってもとても楽しそうにしていた。今は疲れ切ったのかソファーで横になっている。
「カラオケは嫌いだけどたまにはあぁやってワイワイするのもいいな」
「できれば今度二人で……」
「やだ、また笑うから」
好き好んであんなところに行きたくはない。俺はみんなでワイワイするのがいいと言ったんだ。ワイワイできたらなんでもいい。
「ただいまー、って玄関に女物の靴が一足。翔、あんたにはまだそっち方面は早いわよー」
すっかり忘れていたが今日は美紀ちゃんと一緒にすごさないといけなくなった張本人たちが帰ってくる日だった。
また家のうるささがまた一段階上がる。
「はいはい、お帰りんさい。この状況作ったのはあんた達だろ」
「おばさん、お邪魔してまーす」
「ハロー美紀ちゃん。ハーワーユー」
「…………行ってきたのは千葉だろ。なんで英語なんだよ」
どうやらだいぶ酔っぱらっているらしい。多々行動の意味が分からないところがある。

 
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