ぼくのことだけ見てなよ
***

あれから数日が経った。相変わらず、わたしのとなりは美島で、朝来ると女子たちに囲まれている。

友達もできてない。全員ではないけど、みんな美島が好きらしく、あの一件で更にみんなと壁ができてしまった。

松井もモテるけど、松井はわたしの心配をしてくれる。

「大丈夫?女子たちに、嫌がらせ受けてない?」って、ちょいちょい聞いてくる。

ぶっちゃけ、こんな女の子扱いを受けたことがないから困ってしまう。

「椿姫ちゃん、松井くんにも気に入られてるね!」なんて、那津にも言われる始末で…。

お昼も、なぜか4人で食べるのが当たり前になっていた。

そして、おかずを必ず一口は取られてしまう。

だから、なんとなく気持ち程度に、おかずを増やすようになった。

なにやってるんだろう、わたし…。自分でも、どうしてなのかわからなかった。

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