あの日のきみを今も憶えている
「俺が美月に告白した時、美月は何て言った?」
ひゅ、と美月ちゃんが息を飲む。
両手をぎゅっと握って、彼女は俯いた。
「美月ちゃん?」
忘れた、なんてことはないだろうけど、と顔を覗き込む。
泣きそうに、瞳を充血させた美月ちゃんは、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「ずっと……一緒にいてね。あたしが、おばあちゃんに、なっても……」
ああ。そんな、ことを。
思わず、目をぎゅっと閉じた。
なんて可愛らしいやり取りだろう。
だけど、とても哀しく響く言葉だ。
私はそっと目を開け、園田くんを見た。
声が詰まりそうになるのを必死で耐える。
「……ずっと一緒にいてね。あたしがおばあちゃんに、なっても」
園田くんの顔に、驚愕の色が浮かぶ。顔色は真っ白になり、それから彼は崩れ落ちるようにしてその場に膝をついた。
「杏里!」
驚いた長尾くんが園田くんの肩を抱き、それから私を見る。
私は、涙をこらえて頷いた。
園田くんが、美月ちゃんの存在を信じてくれた。
二人だけの大切な言葉で、ようやく。
園田くんが、視線を彷徨わせながら、私に言った。
「福原さん、美月、どこ……? 美月、どこにいる……?」
「園田くんの……目の前」
言って、私は堪らずに顔を逸らした。
ひゅ、と美月ちゃんが息を飲む。
両手をぎゅっと握って、彼女は俯いた。
「美月ちゃん?」
忘れた、なんてことはないだろうけど、と顔を覗き込む。
泣きそうに、瞳を充血させた美月ちゃんは、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「ずっと……一緒にいてね。あたしが、おばあちゃんに、なっても……」
ああ。そんな、ことを。
思わず、目をぎゅっと閉じた。
なんて可愛らしいやり取りだろう。
だけど、とても哀しく響く言葉だ。
私はそっと目を開け、園田くんを見た。
声が詰まりそうになるのを必死で耐える。
「……ずっと一緒にいてね。あたしがおばあちゃんに、なっても」
園田くんの顔に、驚愕の色が浮かぶ。顔色は真っ白になり、それから彼は崩れ落ちるようにしてその場に膝をついた。
「杏里!」
驚いた長尾くんが園田くんの肩を抱き、それから私を見る。
私は、涙をこらえて頷いた。
園田くんが、美月ちゃんの存在を信じてくれた。
二人だけの大切な言葉で、ようやく。
園田くんが、視線を彷徨わせながら、私に言った。
「福原さん、美月、どこ……? 美月、どこにいる……?」
「園田くんの……目の前」
言って、私は堪らずに顔を逸らした。