友達
「ただいま」
テーブルの上には、ラップのかかった夕食が置いてある。
レンジであたためる間にネクタイを外して、冷蔵庫からビールを出して、僕は一人、テーブルに向かう。
「遅いじゃない」
ベッドでスマホの画面を見ながら、妙子が言った。
「ごめん」
「排卵日だって言ってあるでしょ?」
……忘れてた。
「ああ、そうだったね」
「早くしてよ。眠いの」
妙子はそう言って、服を脱ぎ始める。
「明日じゃダメかな。疲れてるんだ」
「はあ? 私だってしたくてするんじゃないんだからね?」
僕は今日、二度目のセックスをしなくてはならない。
一度目は友達と、二度目は妻と。
「早く」
急かされた僕は、妻をベッドに倒し、キスをする。
「あのさ、そういうの、いらないから」
妻はそう言って、僕の男性器を、手で弄る。
「妙子、ごめん、今日は……」
「誰のせいだと思ってるの?あんたのせいでしょ?」
「……授かりものじゃないかな」
「あのねえ、あんたはよくても、私はダメなのよ! 顔合わすたびに、子供は? とか後継は? とか、もううんざりなの!」
「同期が、人工授精を……」
「もういいわ!」
妙子はヒステリックにそう言って、服を着た。
「妙子……」
「離婚はしないから」
僕たちは、もう何年も、こうして夜を過ごしている。
結婚して、七年。どうやら、僕に問題があるらしい。
離婚はしない。
僕たちは、離婚はしない。
だから、僕と花は、ずっと、友達。
テーブルの上には、ラップのかかった夕食が置いてある。
レンジであたためる間にネクタイを外して、冷蔵庫からビールを出して、僕は一人、テーブルに向かう。
「遅いじゃない」
ベッドでスマホの画面を見ながら、妙子が言った。
「ごめん」
「排卵日だって言ってあるでしょ?」
……忘れてた。
「ああ、そうだったね」
「早くしてよ。眠いの」
妙子はそう言って、服を脱ぎ始める。
「明日じゃダメかな。疲れてるんだ」
「はあ? 私だってしたくてするんじゃないんだからね?」
僕は今日、二度目のセックスをしなくてはならない。
一度目は友達と、二度目は妻と。
「早く」
急かされた僕は、妻をベッドに倒し、キスをする。
「あのさ、そういうの、いらないから」
妻はそう言って、僕の男性器を、手で弄る。
「妙子、ごめん、今日は……」
「誰のせいだと思ってるの?あんたのせいでしょ?」
「……授かりものじゃないかな」
「あのねえ、あんたはよくても、私はダメなのよ! 顔合わすたびに、子供は? とか後継は? とか、もううんざりなの!」
「同期が、人工授精を……」
「もういいわ!」
妙子はヒステリックにそう言って、服を着た。
「妙子……」
「離婚はしないから」
僕たちは、もう何年も、こうして夜を過ごしている。
結婚して、七年。どうやら、僕に問題があるらしい。
離婚はしない。
僕たちは、離婚はしない。
だから、僕と花は、ずっと、友達。