桜の花びらの記憶
 お兄ちゃんが私を守るために一生懸命考えてくれた。

 それだけでうれしくてたまらなかった。

「またよろしくお願いします」

「おう、まかせとけ」
 


 それからまた毎日、一緒に満員電車に乗った。


 すごくドキドキしたけれど、お兄ちゃんの笑顔がうれしくて、ドキドキの苦しさも心地いいものになってきた。



 ずっとずっと一緒にいたかった。

 毎日、朝が待ち遠しかった。

 学校なんてもっと遠くにあればいいのにと、何度も思った。
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