桜の花びらの記憶
 三学期に入ってからも相変わらず一緒に登校した。

 たわいもない話しで笑った。




 二月のある日、お兄ちゃんが家に来た。

「ちょっと出れない?」

「いいよ」

 近所の公園のベンチに座ると、一枚の紙を渡された。

 それは都会の方の大学の合格通知書だった。



「合格……したんだ!」

 嬉しそうで、ちょっと涙目のお兄ちゃん。

 その大学はバスケで有名な大学だった。

 秋ごろにスポーツ推薦を受けて落ちたという話は、お母さんから聞いていた。

 それでもあきらめきれずに、一般入試を受けていたらしい。
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