桜の花びらの記憶
今日から九月。
二学期が始まる。
家を出るとお兄ちゃんが待っていた。
「よう、また一緒だな。行こうぜ」
笑顔を作っては見せたが、なんとなく意識してしまう。
駅までの道のりも、今までみたいに横を歩く事ができなかった。
満員電車の入り口近くにある手すりに摑まる私。
それを囲い込むようにしてかばってくれるお兄ちゃん。
お兄ちゃんの腕が私の顔のすぐ近くにある。
お兄ちゃんの胸が、私のすぐそばにある。
そんなこと平気だったはずなのに、「お兄ちゃんだって男だよ」という友達の一言が胸につかえて苦しくなる。
「なんだよ、今日はおとなしいな、なんかあったか?」
耳元で聞こえるお兄ちゃんの声に息が止まりそうになる。
どうして?昨日までは平気だったお兄ちゃんの声が、耳の奥を通って心臓をつかむ。
二学期が始まる。
家を出るとお兄ちゃんが待っていた。
「よう、また一緒だな。行こうぜ」
笑顔を作っては見せたが、なんとなく意識してしまう。
駅までの道のりも、今までみたいに横を歩く事ができなかった。
満員電車の入り口近くにある手すりに摑まる私。
それを囲い込むようにしてかばってくれるお兄ちゃん。
お兄ちゃんの腕が私の顔のすぐ近くにある。
お兄ちゃんの胸が、私のすぐそばにある。
そんなこと平気だったはずなのに、「お兄ちゃんだって男だよ」という友達の一言が胸につかえて苦しくなる。
「なんだよ、今日はおとなしいな、なんかあったか?」
耳元で聞こえるお兄ちゃんの声に息が止まりそうになる。
どうして?昨日までは平気だったお兄ちゃんの声が、耳の奥を通って心臓をつかむ。