「素直じゃなくて、悪いかよ。」
「嫌いで、悪いかよ。」
「茉林!!お弁当持ったのー?」
毎朝恒例のお母さんのセリフ。
「うん!いってきまーす!」
私が扉を開けるのと同時に、隣の扉も開いた。
あっちも私の存在に気づいたみたいで、睨み付けてくる。
睨み付けてくるのは、酒井 雨(さかい あめ)。
私、芹沢 茉林(せりざわ まりん)の幼なじみだ。
雨は少し茶色がかかった髪の色で、目は二重。
肌はバスケ部だからか、少し白い。
雨は、本当に美形だ。