「素直じゃなくて、悪いかよ。」
「行くなって言って、悪いかよ。」
「やるね。酒井くん」
昨日、雨から貰ったチケットを眺めながらそう言う風ちゃん。
「でも、好きだから渡してくれた訳じゃないと思うの」
だって、現に『お前の事、嫌いだから』って言われてるし……。
「……ったく。あのね、茉林。普通嫌いな人に見に来てなんて言うと思う?」
「思わないけど……」
「あーもう!だったら、酒井くんに直接聞けばいいでしょ」
少々呆れたように言う風ちゃん。