「素直じゃなくて、悪いかよ。」
「行かないよ……。ううん、行けない。
行かないって雨に言ったのもあるけど、また傷つくのが怖い……」
私は、下唇を噛み締めながら風ちゃんにそう伝えた。
「そう。茉林が、決めたんだったらいいんだけど……。後悔はしないでね。茉林、案内頑張って!私、もう行くから」
私も、「バレー頑張ってね」と言いながら手を振る。
“後悔しないように”っか。
私は、ポケットの中から雨に貰ったチケットを出し見つめながら考える。
「茉林ちゃんー。そろそろー」
「あっ、はーい!」