「素直じゃなくて、悪いかよ。」


ペコッとおじきをしながら言うと、



「じゃあね、茉林ちゃん」



私の頭を撫でて去っていった。



斉藤 葵先輩……か。



優しい人だなぁ。



私は、葵先輩の後ろ姿を見送りながらぼんやりとそう考えた。



その後は、何事もなく案内係が終わった。



「茉林ちゃーん!ねぇ、サッカーとバスケどっち見に行くの?」



「………サッカー、かな?」



委員会の子にそう聞かれて、曖昧になる返事。
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