「素直じゃなくて、悪いかよ。」


突然、雨の顔がドアップに映る。



「……んっ…。んーっ!」



角度を何度も変え口づけされる。



「……あんな可愛い事、取り消しなんてなし。」



キスをやめた時、吐息のような声でそう呟かれた。



「……おやすみ。」



そう言って、再び歩き出す雨。



今日は、本当に忘れられない日になっちゃったよ。



まだ熱が残っている唇に手をあてながら雨の背中を見送った。




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