「素直じゃなくて、悪いかよ。」
「あっ、はーい!」
先輩たちの所へ渡しに行こうとすると、パシッと腕を掴まれた。
振り向くと不機嫌オーラが出ている雨の姿が。
「お疲れ様。」
笑顔でそう言ったのに、睨んでくる雨。
何か、私しちゃったかな?
そう思っていると、グイっと腕を引っ張られて、
「あんま、先輩と仲良くしてほしくない。……嫉妬する。」
耳元でそう囁かれた。
その言葉と行動に私は、真っ赤になり見ていた部員の人たちが冷やかしたのは、言うまでもない。