「素直じゃなくて、悪いかよ。」
俺のベッドに上がって、俺がしていた片方のイヤホンを取って、自分の耳にあてた。
「あっ、気付いた?」
多分、俺は驚いているから、間抜けな顔をしているのだろう。
それを見てクスリと茉林が笑った。
ってか、ヤベーんだけど……。
距離ちけーし。ベッドの上だし。
………自覚持てよ、茉林。
焦っている俺の事なんて気付かず目を閉じて音楽を聞いている。
じっーと、茉林を見すぎたのか、視線に気付いた茉林が瞼を開けこちらを不思議そうに見てきた。