「素直じゃなくて、悪いかよ。」
……えっ?
雨、今日っていうか最近ネクタイしてきてないよね……。
なんで、嘘を……?
「僕には、誰か待っているように見えたけど……」
確かに、傘立てに座っていたから誰か待っているのかと思ったんだけど。
「……ち、ちげーから。」
「そ。なら帰ろ。芹沢さん」
靴に履き替える池田君。
私も急がなきゃ……。
自分の下駄箱に手を置いたとき、
「待てよ。コイツは、俺が送るから」