「素直じゃなくて、悪いかよ。」


声が、でないよ……。



もう嫌だ。立てれないから逃げられないし……。



男は、再びブラウスのボタンを開けてくる。



もうダメだ……。



私が、ぎゅと目を瞑った瞬間、



「……なにしてんだよ。」



声がしたほうを私と男が、振り返る。



「……あ、め」



そこには、息を切らした怒っている雨がいた。



雨は、私達に近づくと、



「その手を離せ。」



男の手を私から振り払った。



雨の低い声に男がひびっている。
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