「素直じゃなくて、悪いかよ。」
「まだ、居たのって酷いなぁ……。でもさ、気づかなかったのって……」
そう言って私の耳元に近づいて、
「雨と中田の事が気になったからじゃないの?早く自分の気持ちに気づきなよ」
優しく囁いた。
自分の気持ちってどーゆー事なんだろう?
分からないよ。
気付かなかった。雨が、その時私達をじっと見ていて、一佳ちゃんが、雨の目線を追って私達を見ていた事を。
「ねぇ、酒井くん。今日一緒に帰らない?」