「素直じゃなくて、悪いかよ。」
あちらも私の存在に気づいたみたいでペコッと頭を下げてきた。
私も反射的に頭を下げる。
靴を履いて帰ろうとした時、
「待って!」
小さな手に腕を捕まれた。
「どうしたの?」
いきなりの事で戸惑う私。
「あの……酒井くん今、職員室に行っていないから、少しいいかな?」
断る理由がないため「いいよ」と返事をする。
「と、唐突で悪いんだけど……」
そこまで言ってもじもじしている一佳ちゃん。