「素直じゃなくて、悪いかよ。」


「えっ?……」



雨は、私を抱きしめながら小さい声でそう言った。



それは、もう離さないって言ってるように強く強く抱きしめられた。



「怖かった……」



「ん。俺もなかなか見つけられなくてごめん。もう、大丈夫だから。」



私の頭を心地よいリズムで撫でてくれる。



離れちゃって少し寂しいなぁ。



「じゃあ、帰るぞ。と言いたい所だけど。お前足怪我してるし。乗れ。」



私の前にいきなりしゃがみこむ雨。
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