溺愛ドクターは恋情を止められない
第2章
思いがけない告白
再び慌ただしい日が始まった。
「松浦さん、ID作って」
「はい」
勤務についた早々、救急車が二台重り、スタッフ全員が走りだす。
「小谷先生、IDです」
「サンキュ。あと、師長に空きベッド確認してもらってくれる? 多分入院になるから」
処置室も修羅場だった。
「はい。整形ですか?」
「うん。そう」
ひとりは、交通事故で骨折の患者。
専門の小谷先生は、テキパキ処置を済ませて、やはり入院になった。
もうひとりは、小さな子の熱性けいれん。
「大丈夫ですよ。けいれん止めが効きましたし、再発もおそらく心配ありません。念のため、肺のレントゲンを撮りましょうね」
隣の処置室では、酒井先生が母親に優しく話しかけている。
ぐったり横たわる子供は、ギュッと目を閉じて、まだ息を荒げていた。