溺愛ドクターは恋情を止められない
第2章

思いがけない告白


再び慌ただしい日が始まった。


「松浦さん、ID作って」

「はい」


勤務についた早々、救急車が二台重り、スタッフ全員が走りだす。


「小谷先生、IDです」

「サンキュ。あと、師長に空きベッド確認してもらってくれる? 多分入院になるから」


処置室も修羅場だった。


「はい。整形ですか?」

「うん。そう」


ひとりは、交通事故で骨折の患者。
専門の小谷先生は、テキパキ処置を済ませて、やはり入院になった。

もうひとりは、小さな子の熱性けいれん。


「大丈夫ですよ。けいれん止めが効きましたし、再発もおそらく心配ありません。念のため、肺のレントゲンを撮りましょうね」


隣の処置室では、酒井先生が母親に優しく話しかけている。
ぐったり横たわる子供は、ギュッと目を閉じて、まだ息を荒げていた。
< 104 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop