溺愛ドクターは恋情を止められない
だから、あんなになついてるんだ。
ここは小児外科を掲げていないから、子供の大きな外科手術は少ない。
だけど、心臓は別。
小柴部長が、その道の権威だから。
「体の成長も遅れていて、あれで小三なんだ」
「小三!?」
幼稚園児にしか見えなかった。
「そう。ずっと友達とも係わってこなかったから、心も少し幼いかな」
そうだったんだ。
だけど、清春君はとてもかわいらしかった。
「でも、先生が助けた命が、輝いていましたね」
思わずそう漏らすと、高原先生は一瞬驚いたような顔をしてから、にっこりと微笑んだ。
「そうだな」
私より二十センチ以上背の高い先生は、その大きな手で私の頭にポンと触れてから、処置室に入って行く。
私、子供みたい。
だけど、胸がギュッと締め付けられるように苦しくなるのは、どうしてだろう。