溺愛ドクターは恋情を止められない
急に恥ずかしくなってうつむくと、「清春があんまり楽しそうだから」とつぶやく。
「私も、楽しかったです」
楽しかったのは、清春君だけじゃない。
思いがけず、高原先生と一日を過ごし、おまけに恋人のフリまでして……。
ドキドキしっぱなしだったけれど、こんなに気分が高揚したのは久しぶり。
「そっか。それならよかった。俺もすごく楽しかった」
ホント、に?
思わず彼の顔を見つめると、一瞬視線が絡まる。
「松浦といると、すごく心地いいんだ」
真剣な顔でそう囁く彼は、私に手を伸ばしてきて……。
「松浦が、温かいから」
優しく頬に触れた。
視線をそらしたいのに、そらせない。
これまでにないほど胸が激しい拍動を始め、息苦しい。