溺愛ドクターは恋情を止められない
彼の視線に雁字搦めにされ、視線をそらすことができずにいると、彼もまた、私を見つめたまま動かない。
本当に息が止まってしまいそうだと思った瞬間、清春君が膝の上で寝返りをうって驚いた。
「ごめん。ちょっと病院に電話入れてくる」
「はい」
優しい笑みを残して、彼は離れていった。
私……。
なぜだか体が熱くてたまらない。
もしかして、高原先生は私のこと……。
さっきの熱い眼差しは、たしかに……。
高鳴る胸に手を置きながら、清春君の寝顔を見つめる。
安心しきったようなかわいらしい寝顔は、私を穏やかな気持ちにさせる。
親子に、見えるかな……。
高原先生と私と、清春君。
なんの関係もない三人だけど、まわりの人から見ると、どう映るのだろう。
勝手にそんなことを考えて、頬を赤らめた。