溺愛ドクターは恋情を止められない
「医者になって、とてつもないプレッシャーと緊張に負けた。それを癒すために、女を抱いてた」
こんな告白をされも、なにも言えない。
「だけど、松浦に出会って、すごく後悔した。見ず知らずの患者のために、こんなに心を痛めて……。なんて純粋な子だろうって。汚れた俺とはまったく違った」
私は小さく首を振った。
私には先生達のような責任もプレッシャーもない。
だから、彼の苦しみは、本当の意味では理解できないだろう。
「でも、彼女とは別れてきた。今後、松浦のことしか、絶対に見ない」
小谷先生は真剣だった。
だけど、信じてもいいのかわからない。
それに、私が好きなのは……。
「絶対に泣かせない」
本当のことを正直に話してくれた先生の言葉に、嘘がない様にも感じる。
真剣に私のことを思ってくれているとも。
だけど……。