溺愛ドクターは恋情を止められない

「医者になって、とてつもないプレッシャーと緊張に負けた。それを癒すために、女を抱いてた」


こんな告白をされも、なにも言えない。


「だけど、松浦に出会って、すごく後悔した。見ず知らずの患者のために、こんなに心を痛めて……。なんて純粋な子だろうって。汚れた俺とはまったく違った」


私は小さく首を振った。

私には先生達のような責任もプレッシャーもない。
だから、彼の苦しみは、本当の意味では理解できないだろう。


「でも、彼女とは別れてきた。今後、松浦のことしか、絶対に見ない」


小谷先生は真剣だった。
だけど、信じてもいいのかわからない。

それに、私が好きなのは……。


「絶対に泣かせない」


本当のことを正直に話してくれた先生の言葉に、嘘がない様にも感じる。
真剣に私のことを思ってくれているとも。

だけど……。
< 169 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop