溺愛ドクターは恋情を止められない
誤解の憂い
「お疲れ」
引継ぎに時間がかかり少し遅れて更衣室に行くと、那美はもう着替えを済ませ、待ち構えていた。
「ごめん、待たせたね」
「ううん。平気。忙しかったの?」
「ちょっとね」
慌てて着替えると、那美と一緒に病院を出た。
いつも行くレストランで、いつものカルボナーラを頼む。
小谷先生の連れて行ってくれたレストランは本当に素敵だったけど、やっぱりこっちの方がリラックスできるかも。
「ねぇねぇ、それで朝の続きだけど」
那美は身を乗り出してきて、話を始めた。
「浩一の話だと、小谷先生と仲のよかった整形病棟のナースがすごく不機嫌らしいよ」
那美の彼は入院患者の薬の管理もしているから、病棟にも良く顔を出す。
「そう……」