溺愛ドクターは恋情を止められない
「そっか。でも、不安だよね」
私は曖昧に頷いておいた。
高原先生への気持ちは、しまっておかなければ。
彼に迷惑がかかるのだけはイヤだから。
「だけど、研修医の先生って、イケメンばかりだよね」
那美は話を変えた。
「そうだね」
いつも明るくて人当たりのいい小谷先生は当然のようにモテるし、普段は寡黙な感じの高原先生も優しくて、きっと人気があると思う。
ふたりとも背が高くスタイルは抜群。
タイプは違うけれど、ナースの人気も高い。
「高原先生も」
「えっ?」
那美の口から高原先生の名前が出て、必要以上に反応してしまう。
「小谷先生以上に人気なんだって。でも、酒井先生がいるからね。酒井先生も美人よね」
きっと彼から聞いているのだろう。
高原先生が酒井先生と付き合っていることは、有名な話の様だ。