溺愛ドクターは恋情を止められない
次の日の外科系当番は、小谷先生だった。
「おはようございます」
いつものようにとびきり元気に入ってきた彼は、チラッと私に視線を送って微笑んだ。
「内藤ちゃん、今日もよろしく」
「小谷先生、いつにもまして元気ですね」
「おぉ、不摂生をやめたからね」
背中越しに聞こえる会話にドキドキした。
「えー、遊び人の小谷先生が?」
内藤さんは容赦ない。
「そう。反省したんだ」
「雨が降るわ」とつぶやく内藤さんに、小谷先生はクスクス笑みを漏らした。
小谷先生とどう接したらいいのかと迷っていたけれど、意外にも彼は今まで通りで、困ることはなかった。
「松浦、IDどこ?」
「さっきお渡ししましたけど」
「おぉ、ごめん。あった」