溺愛ドクターは恋情を止められない
『看護師の娘のくせに』とよく言われたけれど、怖いものは怖い。
というわけで、看護師は選択肢から消え、もちろん医師も無理。
それで、選んだのがメディカルクラーク。
いわゆる、医療事務。
レセコンという特別なコンピューターを使って、診療報酬を計算したり、受付などの業務をするのが仕事。
配属先によっては受付とか、会計とか、いろいろあるけれど、できれば患者さんと近い場所で働きたいという希望をもっていた。
一番希望していたのは、受付だ。
ひたすらPC画面とにらめっこして事務的に会計処理する作業より、誰かと触れ合える仕事がいいなと漠然と考えていた。
その年に採用された事務職の皆と一緒に、様々な部署を経験して一通りの研修が済むと、いよいよ配属が決まる。