溺愛ドクターは恋情を止められない
「都、大丈夫?」
「うん、平気」
那美が心配してくれたけど、私はできることを精一杯やるだけ。
だけど……。
救急の入り口で、ひとりのナースが私を待ち構えていた。
「おはようございます」
見たことのないナースだった。
挨拶をして通り過ぎようとすると、肩を押されて止められてしまった。
「あなたが松浦さん?」
「はい。そうです」
どうして私を知ってるの?と思ったところで気がついた。
きっと小谷先生の元カノだ。
「話があるんだけど」
「すみません。もう時間なんです」
「いいから、来なさいよ!」
どう見ても怒っているナースは、私を睨みつけるけれど、救急車のサイレンが近づいてくる。
「今は無理です。救急車が入ります」
ナースなのだから、納得してくれると思った。
だけど……。