溺愛ドクターは恋情を止められない

「松浦さん、ちょっと」

「はい」


きっと、高原先生のことだ。
いつもより目がつり上がっているような気さえする彼女の後に続いて、中庭に出ると……。


「あなた、高原先生とどういう関係?」


酒井先生は振り向きざまに私を問い詰める。


「なにも、ありません」

「嘘おっしゃい!」


珍しく強い口調の言葉に、ビクッと体が震えてしまう。


「嘘ではありません」


好きなだけ。
一方的に、恋い焦がれているだけ。

酒井先生が考えているような関係ではない。


「それなら、あの子はなに?」


やっぱり全部聞いていたんだ。


「あの子は……以前、高原先生のところに尋ねてきて、その時に私が偶然居合わせたんです。それで、一緒に遊びに行こうと誘われて……」


正直に話した。
隠していても仕方がない。
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