溺愛ドクターは恋情を止められない

失恋、しちゃった。

酒井先生と付き合っているに違いないとどこかで思ってはいたけれど、高原先生があまりに優しかったから、もしかして一パーセントでも恋が成就する可能性があるのではと期待していた。

だけど、世の中そんなに甘くない。


今までだって失恋したことはある。
でも、これほどまでに打ちのめされたのは、初めてだった。


ハッと我に返って、部屋に上がり、見たく見ないテレビをつける。
すると、突然スマホが震えて、慌ててテレビを切った。


「高原、先生……」


スマホの画面に表示されたのは、高原先生の名。
いつもならうれしくてすぐに出るけれど、そういう訳にもいかなくなった。


「どうして電話なんて……」


酒井先生がいるのに……。
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